投稿:2019/12/23
改訂:2022/10/31
Intercultural C&Cのシッピー・大越 彩です。研修準備サポートブログへようこそ!
みなさんが人前で話す必要があるのはどのような内容・目的としてでしょうか?
社内の勉強会でしょうか?クライアントへの商品の説明でしょうか?あるいは、講演会のような場でしょうか?
どのような場合においても、聞き手を惹きつけるということは重要ですよね。人の話を聞いて、面白くて惹きつけられたという経験は誰にもあると思います。それは話術だったり、話の運び方だったり、ちょっとした笑いだったりするでしょう。
人を引き付けるのは難しいな、と思う方にとって、準備がしやすく、かつ聞き手がぐっと身を乗り出してくれやすいものは『例話やご自分の体験談』を盛り込むことです。
自分の犯した失敗談のようなちょっとした笑い話は記憶に残りやすく、かつ、メッセージが伝わりやすくなることが多いです。ただし、あまりにも失敗談が面白すぎるとそのイメージが強くなりすぎて、失敗談の面白おかしい話しか記憶に残らず、重要なポイントが薄れてしまう可能性もありますので、加減が必要です。
笑い話にしなくても、やや抽象的な概念的な話をしている時に、例話や体験談を入れることで話が具体的になり、理解が進みます。例えば、
「コーチングとは、促進的アプローチ、指導的アプローチで、クライアントの学習や成長、変化を促し、相手の潜在能力を解放させ、最大限に力を発揮させること目指す能力開発法・育成方法論、クライアントを支援するための相談(コンサルテーション)の一形態です」
と説明されてもなかなか分かりにくいかと思います。文字情報として受け取る場合はキーワードが拾いやすいと感じる場合もあるので、上記のようなかっちりした説明も悪くないです。しかし、話として聞くだけだった場合、文語体の羅列はなかなか話の内容を追いにくかったり、記憶に残りにくかったりするものです。これがもし、
「何となくモヤモヤしているときに、誰かに話を聞いてもらって、質問してもらうことで自分の考えや思っていることが明らかになったことはありませんか?コーチングは、コーチという話を聞いて質問をする専門家があなたと一緒に問題解決や課題に取り組むものです」
と説明されたらどうでしょう?これはなんとなく状況が見えるような話し方をしていますよね。そうすることで頭の中で整理しやすくなるのです。
また、例話や体験談を入れることで、聞くことで疲れた頭をリフレッシュさせることもできます。
難しい話の続く研修や、あまり興味のない講義の場でも、ちょっと脱線した話が出たり、「そういえばね」と話し手の見聞きしたことを話したりするとそれまで動いていなかった頭が動いて、気分が変わった経験はありませんか?
先程も書きましたが、失敗談などの笑い話は記憶に残りやすいと書きました。しかし、この笑い話を使おうとして私が大失敗した経験があります。
それは、私が以前、クライアント企業で研修をしていた時、新入社員向けの研修だったので、言葉遣いの失敗談として、私が遭遇した大間違いエピソードを使うことにしました。その話を使うのは初めてだったのですが、とても面白かったのでみんなを笑わせよう、など考えていました。
が、その話をし始めた途端、まだ山場に行ってもいないのに、その時の状況が私の頭の中にありありと浮かんできて私が笑い始めてしまいました。もちろん受講生は「何がおかしいんだ?」という感じで見ているだけで、私一人で笑ってしまったことがあります。そして、笑いながらオチを言っても聞いている方としては「そんなに面白いか?」という感じで期待したような結果にならず、研修終了後、一人で大いに反省しました。
例話・体験談などを使う場合は、言い回しなどを確認したり、相手に伝わるかどうかを調べるためにも是非一度口に出して話して見る練習を行ってください。自分が笑ってしまうような話でも、何度も繰り返しているとおかしくなくなり、顔の表情一つ変えずに話し、その意外性に受講生からは面白く感じてもらえます。
話し手はつい、話すほうが大変と思ってしまいがちですが、実は、神経を集中させて人の話を聞くことはとても疲れることなのです。きっと聞き手は集中して皆さんの話を聞いているでしょうから、とても疲れていても不思議ではありません。なので、ちょっとリラックスしていただくためにも例話や体験談を盛り込み、疲れた頭を休ませてあげることで、また続きをしっかりと聞いてもらえるようになります。人の集中は約15分で波が来て、途切れるそうです。なので、約15分ごとに話題を変えたり、例話・体験談などを入れたりすることで、聞き手が話しに集中してくれるようにしましょう。
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