投稿:2020/06/01
改訂:2023/11/06
Intercultural C&Cのシッピー・大越 彩です。研修準備サポートブログへようこそ!
インターネットのおかげで、「知りたいことがあるが、どこでどうやって調べればよいのか分からない」、「調べたいことがあるけれど、情報にたどり着けない」ということは殆どなくなったのではないでしょうか?
昭和生まれの私は、学生時代はほぼ紙媒体のみでの情報収集でした。大学時代にインターネットは普及し始めましたが、まだまだGoogleもWikipediaもなく、辞書機能ですらあったかどうか疑問です。そんな時は、まだまだ手元にある本を探すか、図書館に行くという程度の方法しかなく、情報を集めることは一苦労でした。
生まれたときからケータイ・インターネットを身近に感じて育っている、我が家の子供達二人は、ケータイ・インターネットがない時代というのが想像できないらしく、「ママが小さかった頃はテレビもなかったの?」「車もなかった??」と昭和初期かそれ以前と同じ時代扱いのようです。
さて、今の時代、『情報を集める』という苦労からは開放されましたが、その一方で今は、溢れる情報を取捨選択する苦労というのがあるように感じますが、いかがですか?
まず、情報が多すぎて、どこから手を付けていいか分からなくなる経験をしたことはありませんか?例えば、先日書いて、とても好評だったブログ「アメリカで小・中学生に求められる『読む力』」の中で、娘が小学校時代に「サメ」について調べて資料を読んでいた話を書きました。今、私が、Googleで「サメ」と入力すると0.49秒(!)で2,480万もの結果が出てきます。もちろん全部に目を通す必要はありませんが、2000万件を超える結果という、膨大な情報に圧倒されます。ほんの一部であっても、軽く20-30件は目につくでしょう。もし、私が小学生の頃に「サメ」について調べようと思ったら家にあった図鑑、図書館でせいぜい1冊か2冊の本を参考にするのが精一杯でしょう。しかし、「サメ」について調べるにはそれで十分な気がします。20冊も30冊も必要ないはずです。しかし、2000万件の中から、どうやって2-3冊程度の本・資料を探しますか?検索結果の上から20-30冊の中から探すとしてもかなり手間がかかりそうです。現代はこんな苦労がありますね。
更に、昭和や平成の前半に情報源として使っていた本や新聞、その他資料は書いてあることが本当かどうかなど考えなくてよかったと思います。書いてあるのだからその通りだろう、と活用することができました。ところが今は、そうでもないですよね。インターネットで見つける情報のうち、少なくない量の情報が真偽が定かではなかったり、公正性に欠けていたりする場合があります。また、個人の意見や考えといった、情報としては使えないものもたくさんあります。上で出た「サメ」の検索結果を使ってみましょう。まず一番上に出てきたのはネット上の百科事典として活用される頻度の高いWikipediaでした。Wikipediaは300以上の言語が利用され、歴史、科学、事件・事故など様々な分野についての情報が載っています。Wikipediaの特徴は誰でも編集に参加できるところにあり、そのためこれだけ広がったのです。しかし、誰でも編集に参加できるという性質上、必ずしも真偽が定かであるとは断言できないのも事実です。そのため、Wikipediaからの引用を認めない学術機関も多くあります。つまり、インターネットで検索をして一番最初に出てくる情報からしてどれだけ信用できるか分からない、というのが現状なのです。
最後に、情報がたくさんあると、ついつい私たちのサービス精神がムクムクと湧き上がり、あれもこれもと盛り込みたくなることがあります。しかし、あれもこれもと詰めすぎると、本当に伝えたいことが見えにくくなったり、聞き手・受け手が疲れてしまったりすることもあります。特に、口頭でのやり取りの場合、持って帰って後で見るということや、自分のスピードで咀嚼する、という事ができないため、どれだけの量の情報を提供するかという点を気をつける必要があります。
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私たちが研修やプレゼン、オンライン講座などをするときには様々な情報を収集する必要が出てくる場合が多いです。自分の体験談や知人・友人の個人的な経験を話す分にはそこまで神経質になる必要はありませんが、個人的な話し以外の事実や公的な情報を利用する場合には、注意が必要です。
人前で話をする際には、どこからどのようにして情報を得るか、さらに得た情報が正しいとどのようにして判断するか、そのような力が求められています。
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