Intercultural C&Cのシッピー・大越 彩です。研修準備サポートブログへようこそ!
仕事の任せ方(Delegation)についてのコーチングセッションをする機会がよくあります。リーダー職についている人には気になるテーマかもしれませんね。
「人前で話す」とは直接関係ないですが、どうやって相手に伝えるかという側面もありますので、ここで取り上げたいと思います。
さて、皆さんは「仕事を任せる」と聞くと、どんな言葉を思い浮かべますか?
-自分の仕事を他者に渡す
-部下・後輩を育成
-本来の自分の仕事に集中
などの他に
-時間や手間がかかる
-自分でしたほうが早い
-不安が募る・落ち着かない
-結局自分がすることになる
などの言葉も出てくるかもしれないですね。
仕事のできる人、経験が豊富な人、仕事のスピードや質を重視している人など、今まで成果を出してきた人の場合、人に仕事を任せることに難しさを感じるようです。
「人に任せて期待通りの結果にならなかったらどうしよう」、「クライアントに迷惑をかけてしまうかもしれない」という考えが浮かんだら、そう気楽に「任せたよ」と言い切れないですよね。仕事を大事に思っている場合は当然だと思います。それだけの責任感を持って仕事を行ってきて、それで今日までの評価を得てきたのですから、それを崩しかねない行動(任せること)には不安を覚えることでしょう。つまり、「任せたよ」と言えない、言いづらいのにはちゃんとした理由があり、責任感があったり、仕事を大事に思っている証拠だということなのです。
でも、お分かりのように、自分ひとりでできる仕事の量には限界がありますし、職位が上がることによって、「自分にしかできない仕事」「自分がしなければならない仕事」というのも出てきます。そして、「自分の仕事」を優先するためには、他の人でもできる仕事を見つけ、それをして貰う必要が出てくるのですよね。
なので、「仕事を人に任せることは必須」という状況を前提として、どうやって任せたら良いかを考えていきましょう。
まず、「仕事を任せる」というのは『「◯◯をしてね」で終了』ではないです。さらに、一言で『任せる』と言っても、相手によって関わり方を変える必要もあるでしょう。つまり、自分と同じぐらい仕事ができて、信用できる人には「お願いします」で良いでしょうが、経験が少ない人や苦手な分野を持っている人に対してはフォローが必要です。そのフォローにもいくつかレベルがあります。
レベル1:経験や知識が少なく、まだまだ不安要素がたくさんの人向け:『この仕事を一緒にしましょう』
仕事のゴールや目的を共有し、しなければならないことを一つ一つ確認する。そして、しなければならないこと一つずつさせてみて、できたら都度報告してもらい、できているか一緒に確認する。
レベル2:少し経験や知識はあるが、不安要素も残る人向け:『あなたならどうする?』
仕事のゴールや目的を訊ねて、どこまで理解しているか確認し、何をどうすれば良いか考えてもらい、しなければならないであろうことを洗い出してもらう。それができたら一緒に確認し、良さそうなら取り掛かってもらう。都度報告・相談は受ける。
レベル3:経験や知識はそこそこあり、不安要素もあまりない人向け:『問題が起きたら教えて』
仕事のゴールや目的を確認し、問題になりそうなことがあるか、あるとしたらどんなことかを予め共有する。その後、取り掛かってもらうが、予想外の問題などが起きたり、変更があった場合には相談してもらう。
レベル4:経験も知識もあり、不安要素もない人向け:『じゃ、お願い』
仕事をそのまま渡し、問題が起こったり、変更を余儀なくされたとしても自分で分かる範囲のことなら自分で判断してもらい、仕事を完遂してもらう。どうしても一人でできないことやサポートが必要なものの場合のみ相談してもらう。
レベル1や2の場合は手間も時間もかかります。しかし、それを続けることでその人がレベル3や4になり、手が離れていくのです。つまり、レベル1や2を経ることなしにレベル4を求めるというのは現実的ではない、ということです。逆に言うと、レベル1や2の対応をしていれば「期待通りの結果にならなかったらどうしよう」、「クライアントに迷惑をかけてしまうかもしれない」という不安を抱くことはないかと思います。
チームメンバーの育成を兼ねて仕事をどんどん任せてみてはどうでしょう?
任せるときの話し合い、あるいは、仕事を任せられることに抵抗を感じる人との話し合いなどに難しさを感じる場合にはぜひご連絡ください。具体的にお話をぜひ伺いたいです。
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