ケーススタディ

Photo by Mimi Thian on Unsplash
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Intercultural C&Cのシッピー・大越 彩です。
研修準備サポートブログへようこそ!

 

学びの場でケーススタディを使ったことはありますか?

 

ケーススタディというのは、実際にあった事例(ケース)を元に考え、学ぶ学習方法のことです。例えば、簡単な例で言えば

 

「クライアントから下記のようなクレームメールが届きました。あなたが担当者だったらどのような対応をしますか?」のような問いがあり、例に使うメール文が下に続く(このメール文は本当に来たものでも実際にありそうな話の創作でも構いません)ものです。

 

あるいは、何ページにも渡って一つの会社(これも実在する会社でも架空の会社でも)の現状やデータが書いてあり、経営者としてどのような戦略を立てますか?というのはビジネススクールでよくあるケーススタディです。

 

企業研修や勉強会の場合は、座学で基礎的なことを学び、応用編としてテーマに応じたケーススタディを使うと学びがより実践的になります。例えば部下指導がテーマの研修を実施している場合は、課題を抱える部下の話をケースとしてグループで話し合ったり、ロールプレイングをしたりします。顧客対応がテーマであれば、電話クレームをケースにしたりすることができます。

 

以前、人事コンサルティング会社に勤めていたとき、例年4月には新入社員研修を実施することがよくありました。丸1日から2日の研修が一般的で、社会人としての心構えから敬語、名刺交換の方法など社会人として知っているべき基礎をお伝えする講座でした。そして研修の最後には総まとめとしてケーススタディを実施しました。そのケーススタディは『約束をを取って企業を訪問する』という一連の流れの中でどのようなことが起こるかを話し合ってもらい、その流れを練習してもらい、最後に発表するようなものでした。4−6人程度でグループを作り、アポイントメントを取るよう上司から依頼を受け、電話をかけて約束を取り、アポイントメントが取れた報告を上司にして当日、上司とともに企業を訪問し、商談をして辞去するまで自分たちで何をすべきか考えて練習してもらいました。訪問する側だけでなく、訪問を受ける側は電話応対をし、上司につなぎ(あるいは伝言を受け取り)、アポイントメント当日には来客対応をし、商談をしてお見送りをする、という形で考えました。テレビや映画でビジネスのやり取り風景を見たり、本で読んだりしたことはあっても自分たちが実際に動くとなると、『電話の受け答え方法』や『商談をする場での上席の位置』など知らないことや習ったばかりでまだ知識として定着していないことが多いことに気づき、戸惑う様子も見られましたが、多くの学びを得てくれていたように思います。また、体を動かして学ぶのは楽しいようで、活発な議論がなされたり、座学ではあまり発言しなかったメンバーの意外な一面が見られたりするのもこのような場が合ったからでしょう。

 

このように、ケーススタディはなんとなく分かっていると思っていることを具体的に考えてみたり、実際の立場に立ったと想定をして自分なりの意思決定をするなど実践に近い学びがあり、とても効果的な方法です。

 

一方、ケーススタディを使う際にはいくつか注意すべき点もあります。

 

1つ目は、枝葉に注目してしまい、全体像を掴みそこねてしまいかねないこと。これは、例えば企業戦略の話をしているのにマーケティングの細かい話に行ってしまったり、決算の話ばかりに注目したりということや、部下や顧客対応の話の中で相手の口癖やちょっとした仕草などに注目してそこを中心に対応しようとしたりといったような場合です。

 

2つ目はグループでケーススタディをしている場合で、ロールプレイングが入る場合が多くなると思うのですが、グループで楽しみすぎてふざけてしまうことです。顧客対応のロープレや企業訪問のロープレ場面でちょっとした工夫をしてみたり、志向を凝らしてみていたらだんだんエスカレートしてしまい、楽しみばかりに注力してしまう、という場合です。

どちらの場合もインストラクター・研修講師が進み具合を都度チェックし、本来の目的に沿っているかどうか確認します。その中で修正が必要であれば早い段階で軌道修正するよう促すことが重要です。

 

研修や勉強会の中でぜひケーススタディを取り入れてより効果的な学びにしていただければと思います。

どんなケーススタディを使ったら良いか、個別の質問(どのくらい時間を見越したら良いか、どのように指示を出すか、など)があればいつでもご連絡ください。

 

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