導入部(イントロダクション)の重要性

投稿:2019/12/09
改訂:2022/06/07

Intercultural C&Cのシッピー・大越 彩です。研修準備サポートブログへようこそ!

 

最近、何か映画を見ましたか?あるいは、小説を読みましたか?

私は、家族映画『SING2』を見ました。笑いもホロッとされる場面もあり、良い映画でした。

 

映画や小説の場合、単調なスタートで、途中に山場が来て、”The End"となる場合がありますよね。中には、最初の数分から数十分、『退屈!』と思わせるような調子で進むものすらあります。だからこそ、途中の山場との対比が際立ち、映えるのでしょう。例えば、私が初めて「ハリー・ポッター」シリーズの本の第一巻を手にした時、始めからしばらくは、とあるオジさん(ハリーの叔父さんというのが後に分かる)のつまらない生活についてダラダラと(と私には思えた)書いてあり、『何だ、これは?』と思ったことを覚えています。 「ハリー・ポッター」シリーズが大人気だということ、魔法使いの学校の話だということぐらいしか知識のなかった私は、この冒頭部分に驚きと多少の失望を感じたのかもしれません。それでも『きっとこの先は楽しいはず』と読み進め、段々興味深い話になり、途中からは本を置くことができなくなってしまいました。

 

このように、映画や小説の場合、最初が多少つまらなくてもそのまま見て・読んでもらえることも少なくありません(映画や本でも、途中で放棄されてしまう場合もありますが)。しかし、研修やプレゼンテーションはどうでしょう?もともと、映画や小説のように「楽しいもの」「ワクワクするもの」というカテゴリーに入っていないでしょうし、嫌々その場にいる人もいるかもしれません。あるいは、やらなければならない仕事のことが頭にあって、『心ここにあらず』状態かもしれません。

 

そのような人に、最後まで聞いてもらい、単に聞いてもらうだけでなく伝えたいメッセージを確実に理解してもらったり、学ぶポイントを学んで持ち帰ってもらったりするために話しているはずです。そのためには、できるだけ早い時点で『これは面白そうだ』『これはもっと聞いてみたい』と思ってもらうことが重要です。

 

導入部、つまりイントロダクションの2つの例をまず示しますね。設定は、社内のプレゼンで、私が他部署の人に新しい製品の紹介をするというところです。

 

§

 

「今日は、新製品の紹介をさせていただきます。私は設計担当の大越です。説明は30分程度で終了しますので、よろしくお願いします」

 

 

「1年半前、私は頭を抱えていました。皆さんご存知のように、クライアントXからの要求に応えられなかったからです。今日、この場で頭をしっかり持ち上げ、皆さんの前に立っています。今日の30分のプレゼンでは、新製品をどうやって顧客に伝えれば良いか、3つのポイントとともにお伝えします。ポイントの1つ目は旧版の製品との違い、2つ目はクライアントXをも納得させたポイント、最後に我々がこだわった点についてです」

 

 §

 

もし聞き手だとしたら、どちらのほうが「もっと聞きたい」と思うかは歴然としていますね?それでも一番目のような導入部を聞くことは未だにありませんか?

 

『最初が肝心!』と、冒頭で笑いを取れると良いと考える場合もありますが、笑いを取るのはとても難しいです。特に、導入部で、お互いまだよく知らない場合に笑いを取ろうとするのは、絶対の自信がある話を除いて避けたほうが無難かもしれません。もし、失敗してしまったら残りの時間が余計に大変になります。

 

では、笑いでなければどうやって興味をひけるのでしょう?

 

面白みには欠けるように感じるかもしれませんが、始めからゴール/目的(これに関するブログはこちらから)を明確に伝え、なぜこのゴール・目的を達成することが重要なのか、この研修・プレゼンを聞くことでどのようなメリットがあるのかを示しましょう。笑いに包まれる時間になれば理想的ですが、プレゼンや研修の場合は、笑いは二の次、三の次です。また、映画や小説のように、どんでん返しや予想外の展開は不必要です。あるいは、洗練された話術でストーリー展開をして行くということもできれば良いですが、それができるようになるためにはかなりの練習を積む必要があるのと、やはり得意・不得意があります。ですので、話術を磨くのも悪くはないですが、まずは上記の例でいうと、ゴール/目的は、『営業スタッフに、新製品のアピールポイントを理解し、説明できるようになってもらう』ということが第一ステップでしょう。営業スタッフにしても、30分後には、何をどう説明すればよいのかが分かるというのが明確になったので、耳を傾けようと思いますよね?

 

丁寧に、あなたの話を聞くことで得られるメリットを伝え、何が起こるのか、何が期待できるのかをまず示すことで、聞き手はリラックスして耳を傾けることができます。

 

確実に基礎を固めることが仕事で話をするときにはまず重要です。

 

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