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質問技法

投稿:2020/04/27

改訂:2023/06/19


Intercultural C&Cのシッピー・大越 彩です。研修準備サポートブログへようこそ!

 

研修や講座(オンライン含む)を実施する時に、避けて通れないものが聞き手と話し手の、口頭によるやり取りです。以前、「二法通行のコミュニケーション」というブログを書きました。その中では、表情や身体の動きなど、言葉を介さずに聞き手が発する情報をどのように受け取るか、ということについて考えました。今回は、ブログ一回分を使って言葉によるやり取り・質問技法について考えていきましょう。

 

質問技法というのは、いわゆる研修やプレゼンテーションなどの最後に設けられる『質疑応答』の時間のことではなく、研修や講座を実施ている中で話し手が聞き手に向かって投げかける質問の仕方のことです。研修やプレゼンテーションが二法通行のやり取りになるように、質問をします。効果的な質問は、聞き手の思考を促したり、気づきを与えるためや、課題などに積極的に取り組んでもらうために威力を発揮します。

 

質問は単に「すればいい」のでは無いことはお分かりだと思います。タイミングや言葉選び、質問の順番などを間違えてしまうと逆効果になったり、予期しない方向に聞き手の思考が動いてしまったりと危険もはらんでいるために、難しさを感じている方もいると思います。

 

逆効果というのはどういうことか、予期しない方向に聞き手の思考が動くというのはなぜかと言うと、研修を実施する私達は、テーマについて日夜考え続けて来ているし、準備も何日も行ってきているので、自分の頭の中では話の道筋が明確になっています。一方、聞き手はその場で初めて考える内容だし、知識もずっと少ないはずです。なので、話し手が話を進める際には、丁寧に話し手の頭の中に有る道筋を示さないと、聞き手がついてこれなくなってしまうのです。

 

例えば、
 

「みなさんにとって大事なものはなんですか?」

 

という質問をしたら、「家族」、「お金」、「健康」、「ペット」、あるいは「思い出の詰まったアルバム」などなど幅広い答えが返ってくるのは容易に想像できますよね。

 

でも、この同じ質問を2020年の夏頃にしていたらどうなっていたでしょうね?コロナが蔓延し、収束の目処が立たないばかりか、この先への不安が渦巻いていた頃です。この時はおそらく「安全」や「マスク」などの答えがあったかもしれません。

 

分かりやすい私の失敗談で言うと、新人研修をしている時、『電話応対』のテーマで話をスタートした時、「社会人として『電話応対をするときに』気をつけることはなんですか?」と聞くべきところ、『電話応対をするときに』という言葉を抜かしてしまったために、一般的な社会人として配慮しなければならない『服装』や『挨拶を自分からする』などの答えが返ってきてしまったことがあります。一般的な社会人として気をつけることであれば、『服装』も『挨拶』も重要ですが、『電話応対』のテーマにはそぐわないため、『間違ってはいないけれどもその答えでは困る!』、という大失敗をしたことがあります。

 

また、勉強会や研修の場では、1対複数のやり取りですので、限られた時間の中でできるだけ効果を上げたいものです。私が学生の時、席順や名簿順に当てられるのが分かってしまっていたので、他の人が答えている間に自分が当たりそうなところだけを考えるということをしていました。そのようなことをした人はいませんか?勉強会や研修ではそれは避けたいことですよね。ですので、何か課題をしてもらう時には順番通りに当てず、まず、質問を投げかけ、全員に考えてもらいます。そして、誰が当たるかわからないようにしておくことで、全員に考えてもらうことができるようになります。

 

このように、言葉選び、声のかけ方など、様々な面で最高の効果が得られるような質問をすることがとても大事なのです。

 

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